末路

キモさで競り合っていたTwitterは終わりを告げた。

人生があるのだ。恋人ができ、家族ができ…少しずつ人生のマス目を進めていく。
自分以外のために時間を使う人間の方が多くなったようだ。
1年前、2年前とかで更新が途絶えたアカウントたちも散見される。

サイコロをふり、6が出て一気にマスを駆け上がる者、1つずつ、だが確実に歩んでゆく者。
こうしてしっかりと人生をやっていくうちに、SNSに構っている暇なんてなくなってくるのだろう。




わたしとTwitterとの出会いは高校時代にまで遡るが、
ここまで毎日ツイートするようになるまでのめり込んでいったのは大学生のころである。

当時、わたしは四国の外れのとある大学に通っていた。
あたり一面大自然に囲まれていた環境は、
わたしを鬱病にするのにそう時間はかからなかった。

スマホの画面とにらめっこする日々の中で、地元の友達から始まり数珠繋ぎ的にTwitterのフォローを増やしていった。

同年代の方々の赤裸々なツイートは読んでいてかなりおもしろかった。
アニメ情報、他大学や地域の情報、
旅行ツイート、非モテエピソードなどなど、だんだんとタイムラインが賑わっていく。
正直、田舎暮らしの自分にとってかなり心の支えになったし、たまに都会暮らしに嫉妬したりもした。(みなさんありがとう)


フォロワーさんのアニメアイコン率がかなり高くなっていったころ、事件(?)が起きた。
あるアニメアイコンフォロワーさんが、女性を対面に写した食事風景をアップしてかなり叩かれ、垢消しにまで追い込まれていた。
確かにダサい行動だとは思ったが、今現在、TwitterではSEX自慢、デート報告などが日常的に行われており、彼女匂わせアニメアイコンは跳梁跋扈している。普通に飯食っただけで垢転生まで追い込むのはやりすぎである。

だが当時のわたしは、
「俺の居場所はここだ」と本気で思った。

高校時代は顔が良くなければ恋愛する権利はないと本気で思っていたし、大学の男女比も極端に偏っていて、社会人になるまで絶対に彼女はできないと踏んでいた自分にとっての理想郷だと信じて疑わなかった。



全員若気の至りでピエロを演じていただけに過ぎず、それに気づくことのできなかった、

…いや、気づかないふりをしていた。


薄々気づいていたんだよなあ…

その証拠に先述の""モーニングではんなり事件""で堰を切ったように叩いていたアニメアイコンたちも、今では彼女を持ち、家庭まで持ち始めている。





という具合に毎日毎日、狭小通勤バスに揺られながら、そんなことを考えていた。

サイコロをふることを諦め、最後までインターネットで踊り続けている男の末路である。